環境計量士(濃度関係)の試験では、毎年いくつかの計算問題が出題されます。
計算問題は一見難しく感じますが、実は多くの問題が同じような思考手順で解くことができます。
この記事では
・計算問題の基本的な考え方
・問題を整理するための思考手順
・計算ミスを防ぐ解き方のフレーム
を解説します。
計算が苦手な方でも、問題を整理する方法を身につけることで安定して得点できるようになります。
まず「求めるもの」を確認する
計算問題では、いきなり計算を始めるのではなく、
「この問題は何を求める問題なのか」
を最初に確認することが重要です。
試験では、例えば次のようなものが問われます。
・濃度(mg/L、ppm など)
・ギブス自由エネルギー
・pH
・体積
・希釈後の濃度
・体積変化の倍率
求めるものが分かると、
・どの式を使うのか
・途中で何を求める必要があるのか
が整理しやすくなります。
問題文の情報を整理する
次に、問題文に書かれている情報を整理します。
計算問題では、問題文の情報がそのまま式に入るとは限りません。
多くの場合、途中の量を計算する必要があります。
例えば次のようなケースがあります。
・密度と体積から質量を求める
・質量からモル数を求める
・単位を変換する(L ⇄ m³、mg ⇄ g など)
このように、
「答えを出すために何を先に求める必要があるか」
を考えながら、途中の値を順番に整理していきます。
計算手順の基本フレームと具体的な手順
最後に、実際の計算ステップです。
ここでは、計算ミスを防ぎながら効率的に解くための基本フレームを紹介します。
① 式を文字のまま書く
例
P1V1=P2V2 (ボイルの法則)
数字を代入せず、まず文字で式を書くことで式の構造が見えます。
② 既知の値に印をつける
数値が分かっている文字に○をつけます。
例

このように整理することで、どの値が既知なのかが明確になります。
③ ○のない文字を左辺、○のついた文字を右辺に整理
求めたい量(未知数)を左辺に置き、
既知の値を右辺に整理します。

この段階で、式の形を整えることがポイントです。
④ 式を解く
左辺に求めたい文字、右辺に既知の値を代入して計算します。
文字のまま整理してから計算することで、代入ミスを防ぐことができます。
⑤ 計算結果を確認
計算が終わったら、次のような点を確認します。
・単位が正しいか
・値の桁が極端におかしくないか
・常識的にあり得る値か
例えば
・体積がマイナスになっていないか
・濃度が不自然に大きくないか
などをチェックします。
⑥ マークシートに記入
最後に、計算結果をマークシートに正確に記入します。
計算が合っていても、マークミスがあると得点にならないため注意が必要です。
計算問題でよく使われる式(例)
環境計量士の試験では、さまざまな式が登場します。
ここでは代表的なものを例として紹介します。
理想気体の状態方程式
PV = nRT
P:圧力
V:体積
n:モル数
R:気体定数
T:温度
ヘスの法則
反応の総エンタルピー変化は、
途中の反応経路に依存せず一定になります。
ΔH = ΔH₁ + ΔH₂ + …
例題で考えてみる
ここまでの考え方を、簡単な例題で確認してみます。
※以下の例題はあくまで計算手順の理解を目的とした例です。実際の試験問題の形式を参考に、一部数値を簡略化・変更しています。
例題
液体状態のヘリウム1 Lがすべて蒸発して、
350 K、1 atm の気体になったとき、
体積は元の液体体積の何倍になるでしょうか。
ただし次の値を用いるものとします。
液体ヘリウムの密度:0.13 g/cm³
ヘリウムの原子量:4.0
気体定数:R = 0.082 L·atm·K⁻¹·mol⁻¹
解き方
① 質量を求める
1 L = 1000 cm³
m = 1000 × 0.13
m = 130 g
② モル数を求める
n = 130 ÷ 4.0
n = 32.5 mol
③ 理想気体の状態方程式
V = nRT / P
V = 32.5 × 0.082 × 350
V ≈ 932.75 L
④ 体積の倍率
932.75 ÷ 1
約933倍
計算問題でよくあるミス3選
ミス① いきなり数字を代入する
式を書かずに計算するとミスが増えます。
まず式を文字で書くことが重要です。
時間が少なくなってきて焦るとよりやってしまいがちなミスですので気を付けましょう。
ミス② 単位変換ミス
・L ⇄ m³
・mg ⇄ g
・ppm ⇄ mg/L
単位ミスは非常に多いので注意しましょう。
ミス③ 桁(オーダー)の確認をしていない
計算結果が
・大きすぎないか
・小さすぎないか
最後に必ず確認しましょう。
環境計量士|計算問題でよく出るテーマ
環境計量士の計算問題には、ある程度の出題パターンがあります。
代表的なテーマには次のようなものがあります。
これらのテーマについては、別の記事で詳しく解説していきます。
・気体計算(理想気体の状態方程式)
→ 気体計算の解き方はこちら(作成中)
・結晶格子の計算
→ 結晶格子計算のコツはこちら(作成中)
・濃度計算
→ 濃度計算の解き方はこちら(作成中)
・pH計算
→ pH計算のコツはこちら(作成中)


コメント