電気分解の問題は、
式を覚えていても途中で何をすればよいか止まりやすい
分野です。
特に金属析出では、
どこまで単位を追えるか
で整理しやすさが大きく変わります。
今回のような問題では、
g → mol → 電子 mol → C → Q
と逆向きに考えると、
必要な式が自然に見えてきます試験の出題内容を参考に、一部数値を変更した類題を用いて、考え方と解き方を整理しています。
計算問題全体の整理から確認したい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
→ 環境計量士(濃度関係)計算問題の基本構造と5つの型
この記事で学べること
- 電気分解を逆向きに整理する方法
- 電気量 Q の意味
- 電子 mol と金属 mol の関係
- ニッケル析出で 2 電子必要な理由
問題
硫酸ニッケル(Ⅱ)水溶液に銅板とニッケル板を浸漬させ、銅板を陰極、ニッケル板を陽極として、0.15 A の直流電流を8分間流した。
このとき、銅板にメッキされるニッケルの質量は何 g か。
ただし、
- ニッケルの原子量:58.7
- ファラデー定数:9.65×104 C/mol
とする。
解説
① まず逆向きに考える
求めたいのは g です。
したがって、
g を出すには mol が必要
です。
Ni の mol がわかれば、
原子量で g に直せます。
さらに Ni mol を出すには電子 mol
反応式は

なので、
Ni 1 mol に電子 2 mol 必要
です。
電子 mol を出すには C
ファラデー定数は

なので、
C がわかれば電子 mol にできる
です。
C を出すには Q=It
ここで電気量の式を使います。
つまり逆向きに見ると

です。ここまでくればもう少しです。
② 電気量 Q を求める


③ 電子 mol に直す

ここも単位を見ればわかりやすく、

なので、
C が消えて mol が残る
ということです。
④ ニッケル mol に直す
Ni2+がNiになる反応では電子が2個反応に必要なので

⑤ 質量に直す
最後に分子量をかけて質量に直せばおわりです。

この問題の本質
この問題は、
順方向で覚えるより逆向きに単位で見る
と止まりにくくなります。
試験で落としやすいポイント
電子 mol のまま終わる
2電子を忘れる
時間を秒にしない
まとめ
電気分解では、
g → mol → 電子 mol → C → Q
と逆向きに見ると、
使う式が自然に決まる
ようになります。
試験では、
単位が次の一手を教えてくれる
と考えるとかなり安定します。
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参考になれば幸いです。


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