環境計量士試験では、吸光度・透過率・濃度の関係を問う問題として Lambert-Beerの法則 がしばしば出題されます。
この分野は公式自体はシンプルですが、
- 透過率を % のまま扱ってしまう
- log の処理で止まる
- 濃度との比例関係を見落とす
といったミスが起こりやすいテーマです。
特に試験では、
特に、
1% → 10% のように透過率が変わったときに濃度を逆算する問題
は頻出パターンで、
「まず吸光度に変換してから濃度比を見る」
という流れができるかが重要になります。
本記事では、令和4年 環境計量士(環境計量士(濃度関係))試験の出題内容を参考に、一部数値を変更した類題を用いて、試験で止まらずに解くための考え方 を整理します。
計算問題全体の整理から確認したい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
→ 環境計量士(濃度関係)計算問題の基本構造と5つの型
この記事で学べること
- 透過率から吸光度を求める手順
- Lambert-Beerの法則で濃度を逆算する考え方
- この問題で本当に問われているポイント
- 試験で止まらないための判断手順
問題(類題)
あるカルボニル化合物の溶液について、セル長1 cmで測定したところ、
4.0×10⁻² mol/L の溶液で透過率が1.0 %
であった。
同じ条件で 透過率が10 % となる溶液の濃度を求めよ。
ただし、測定範囲では Lambert-Beer の法則が成り立つものとする。
解説
① まず透過率を吸光度に変換する
Lambert-Beerの法則より、

Tは透過率[%]を表します。
1.0 % のとき
1.0 % = 0.010 なので、

10 % のとき
同様にして、10 % = 0.10 なので、

② 吸光度と濃度は比例する
Lambert-Beerの法則は、

ここで、
l:セル長
ε:モル吸光係数
であり、εとlは同じ条件なので一定です。
したがって、
吸光度 A は濃度 C に比例します。
③吸光度が半分なら濃度も半分
1.0%のとき、A=2
10%のとき、A=1
つまり、
吸光度は半分。
したがって濃度も半分です。
答え
よって、求める濃度は、

この問題の本質は何か
ここで試験が見ているのは、
4.0×10⁻² という数字を計算できるかではありません。
本当に見られているのは、
透過率 → 吸光度 → 比例関係
という流れを自然に作れるかです。
なぜ濃度の数字は本質ではないのか
元の濃度が、
- 5.0×10⁻²
- 4.0×10⁻²
- 6.0×10⁻²
など、どんな濃度であったとしても、
吸光度比が 2 : 1
なら、
濃度比も 2 : 1
です。
つまり、
ランベルトベールの法則の式を理解したうえで先に比を考えられるかが本質 です。
試験で止まりやすいポイント
透過率を % のまま入れない
1 % → 0.01
10 % → 0.10
など、焦らずに%を少数に直しましょう。ケアレスミスはもったいないです。
log の値で慌てない
1% と 10% は典型値なので、
すぐに
- log0.01 = -2
- log0.1 = -1
と処理できます。
仮にlog2やlog5などが計算結果として出てきても、
まずは問題文にその数値が与えられていないか確認しましょう。
場合によっては、log5=log10-log2などと考えて計算する必要もあるかもしれません。
先に比で考える
数値を全部追うより、
まず「吸光度が半分」と見る方が速いです。
どのパラメータがどう変わるかをみましょう。
例えば「セル長さ」が「2倍」(10mm→20mmのように)など、
それさえわかれば簡単な計算で答えが出せます。
この問題を見た瞬間の判断
次の語が並んだら Lambert-Beer の典型です。
- 透過率
- 吸光度
- 濃度
まとめ
Lambert-Beerの法則では、
- 透過率はまず吸光度へ変換
- 吸光度は濃度に比例
- 比で考えると速い
この3点で整理できます。
試験では、
「公式を書く」より先に「何が比例するか」を見る
と安定します。
関連記事
環境計量士の計算問題に慣れるためには、次の基本パターンもあわせて確認しておくと整理しやすくなります。参考になれば幸いです。


コメント