【計算問題#4】急に陽イオン交換樹脂が出ても慌てない!硫酸銅水溶液の濃度計算

環境計量士(環化)の計算問題では、

  • 滴定
  • イオン交換樹脂
  • 洗液
  • 標準液

が同時に出てくると、一気に難しく見えることがあります。
滴定はできる人は情報整理してパッとできてしまいますが、苦手な人は結構苦手です。
私も最初は苦手なタイプの問題でした。。。

ただ本質は、


最後に滴定した NaOH が何 mol の H⁺ に対応するか


だけです。

つまり、


最後に測れた mol を逆向きに戻す


と整理すると解きやすくなります。

今回は、令和7年 環境計量士(環化)試験の出題内容を参考に、一部数値を変更した類題で解説します。

計算問題全体の整理から確認したい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
環境計量士(濃度関係)計算問題の基本構造と5つの型

この記事で学べること

  • 陽イオン交換樹脂で Cu²⁺ が H⁺ にどう対応するか
  • 滴定結果から元の濃度を逆算する考え方
  • 長文の計算問題でも、どこを見れば整理できるか

交換樹脂が出ても、最後に滴定しているものから逆にたどると整理しやすくなります。


問題(類題)

濃度不明の硫酸銅(Ⅱ)水溶液 20 mL を H⁺形陽イオン交換樹脂カラムに通し、さらに水でカラムを洗浄した。

これらの洗液を含む通過液をすべて集めて 0.10 mol/L の水酸化ナトリウム標準液で滴定したところ、中和に 10.0 mL を要した。

元の硫酸銅(Ⅱ)水溶液のモル濃度を求めなさい。

ただし、硫酸銅(Ⅱ)水溶液中の Cu²⁺ はすべて H⁺ に交換されたものとする。


この問題のポイント

最後に何を滴定しているか


です。

NaOH が中和するのは、


H⁺


です。

したがって、


イオン交換樹脂から出た H⁺ の総量


を求めればよいことになります。


そもそも陽イオン交換樹脂で起こることは?

陽イオン交換樹脂は文字通り、
陽イオンを交換 する樹脂です。
そして交換するための素材がH+であるため、
H+形陽イオン交換樹脂 と呼ばれます。

硫酸銅(Ⅱ)は水中で次のように電離します。
(「(Ⅱ)」と書いている部分がヒントになりますね。この(Ⅱ)の部分がCuの価数です)

H⁺形陽イオン交換樹脂ではCu²⁺ が樹脂に保持され、
代わりに H⁺ が放出されます。

Cu²⁺ は 2価なので、

※ここでは化学反応式ではなく、Cu²⁺ 1 mol に対して H⁺ が 2 mol 放出される対応関係を簡略的に示しています。

「硫酸銅(Ⅱ)水溶液中の Cu²⁺ はすべて H⁺ に交換されたものとする」という記載があるので、
Cu²⁺ は 2H⁺ と等価交換される ということです。 


NaOHの物質量を求める

濃度 0.10 mol/L
使用量 10.0 mL = 0.01 L なので、NaOHの物質量は

NaOHの物質量と交換されるH+の物質量は同じになるので、

Cu²⁺ の物質量へ戻す

Cu²⁺ 1 mol に対して H⁺ 2 mol で等価交換になるので、

元の濃度を求める

試料は 20 mL = 0.020 Lなので、


答え

よくあるミス

Cu²⁺ と NaOH を1:1にしてしまう

Cu²⁺ は 2価なので、H⁺ 2個分に対応します。
ここが最重要ポイントです。
焦ると1:1で計算してしまう可能性があるので気を付けましょう。

洗液が加わって体積は増えていると考え濃度計算を間違える

必要なのは濃度ではなく、H⁺ の総 mol 数です。
滴定で直接数えているのは、全体に何 mol 含まれているか
なので、
薄まっても総量は変わらない


このタイプの問題の見抜き方

長文でも最初に確認するのは2つだけです。

  • 最後に何を滴定しているか
  • イオンが何価か

この問題では、

  • NaOH → H⁺を見る
  • Cu²⁺ → H⁺ 2個

これで解けます。

まとめ

この問題は、


最後に測れた mol を逆向きに戻す


だけです。

  • NaOHで滴定しているのは H⁺
  • Cu²⁺ 1 mol に対して H⁺ は 2 mol 放出される
  • 最後に試料体積で割って濃度を求める

という流れを押さえれば整理できます。

陽イオン交換樹脂が登場すると複雑に見えますが、

最終的に何を滴定しているかを確認すると、必要な計算はシンプルです。

落ち着いて解くことで得点源にしていきましょう!

あわせて読みたい記事

陽イオン交換樹脂の問題では、

  • 物質量の計算
  • イオンの価数
  • 滴定結果の読み取り

が組み合わさります。

環境計量士の計算問題に慣れるためには、次の基本パターンもあわせて確認しておくと整理しやすくなります。参考になれば幸いです。


コメント

タイトルとURLをコピーしました