環境計量士試験では、pHに関する問題が定期的に出題されます。
このタイプの問題は
- 計算自体はそれほど複雑ではない
- 与えられた条件を正しく使えば解ける
という特徴があります。
そのため、安定した得点源にしたい問題の一つです。
ただし注意したい点があります。
pH=7なら中性と思ってしまう
ことです。
しかし実際には、
温度によって中性の pH は変わります
今回は、
まずその温度の中性 pH を作ってから比較する
という順番で整理します。
実際の問題形式に近い類題で確認してみましょう。
計算問題全体の整理から確認したい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
→ 環境計量士(濃度関係)計算問題の基本構造と5つの型
この記事で学べること
この記事では、環境計量士試験で出題される pHとpKwの関係を使った計算問題について解説します。
この記事を読むと、次のポイントが理解できます。
- pH=7が必ず中性とは限らない理由
- 中性の条件(pH = pKw / 2)
- 温度によって中性pHが変化する仕組み
- 環境計量士試験でのpH問題の基本的な解き方
pHの問題は、計算自体はそれほど複雑ではありません。
前提条件を正しく整理できれば、安定した得点源にすることができます。
問題(類題)
水溶液の液性とH⁺のモル濃度[H⁺]、OH⁻のモル濃度[OH⁻]の関係は次の通りである。
酸性
[H⁺] > [OH⁻]
中性
[H⁺] = [OH⁻]
塩基性
[H⁺] < [OH⁻]
10℃および40℃の水のpKwはそれぞれ 14.47 および 13.22 とする。
各温度における pH=7.00の水溶液 は、酸性・中性・塩基性のどれになるか。
ただし pKw = −log₁₀Kw = −log₁₀([H⁺][OH⁻])
とし、溶存するすべてのイオンの活量係数は1.00とする。
※補足
本記事では、令和4年 環境計量士(環化)試験の出題内容を参考に、
一部数値を変更した類題を用いて解説しています。
解き方のポイント
この問題では次の点が重要です。
pH=7 をそのまま判断しない
です。
まず、
その温度での中性 pH を作る
これが先です。
中性は、
[H⁺] = [OH⁻]
で決まるからです。
水では次の関係が成立します。
pKw=pH+pOH
中性では
pH = pOH
となるため
中性のpH = pKw / 2
となります。
したがって、まずその温度での中性pHを求めます。
① 10℃の場合
pKw = 14.47
中性のpHは
pH = 14.47 / 2 = 7.235
今回の水溶液はpH = 7.00
です。
この温度では 中性 = pH 7.235 です。
したがって7.00 < 7.235となり、
[H⁺] > [OH⁻]となるため
酸性
になります。
② 40℃の場合
pKw = 13.22
中性のpHは
pH = 13.22 / 2 = 6.61
今回の水溶液はpH = 7.00
です。
この温度では 中性 = pH 6.61 です。
したがって7.00 > 6.61となり
[H⁺] < [OH⁻]となるため
塩基性
になります。
結論
pH=7.00の水溶液の液性は次の通りです。
| 温度 | 液性 |
|---|---|
| 10℃ | 酸性 |
| 40℃ | 塩基性 |
この問題の本質
ここで見るべきなのは、
7という数字ではなく中性基準の差
です。
つまり、
まず pKw/2 を作る
これだけで基準とのギャップを判定できます。
試験対策のポイント
このタイプの問題は
- 計算自体は単純
- 与えられた条件を整理すれば解ける
という特徴があります。
そのため基本原理を理解しておけば安定した得点源になります。
環境計量士試験では、このような原理確認型の計算問題も多く出題されます。
確実に解けるようにしておきたいところです。
よくある疑問:pH=7は必ず中性?
結論から言うと、今回の問題でわかった通り、pH=7が必ず中性とは限りません。
水溶液が中性かどうかは
[H⁺] = [OH⁻]
で決まります。
水では pKw = pH + pOHの関係があり、
中性では pH = pOH
となるため
中性のpH = pKw / 2 になります。
温度が変わると中性のpHも変わる
水のpKwは温度によって変化します。
| 温度 | pKw | 中性pH |
|---|---|---|
| 10℃ | 14.47 | 7.24 |
| 25℃ | 14.00 | 7.00 |
| 40℃ | 13.22 | 6.61 |
このように
- 低温では中性pHは7より大きい
- 高温では中性pHは7より小さい
という特徴があります。
そのため
pH=7でも酸性や塩基性になる場合があります。
あわせて読みたい記事
環境計量士の計算問題を他にも解説していますので参考になれば幸いです。
また環境計量士の計算問題に共通して言える基本構造を整理した記事もあります。


コメント